ママ女医ちえこ先生が教える!膣ケアから始まる健康講座

13万人の登録者を持つ産婦人科医、racinéの監修も務めるママ女医ちえこ先生による、「人には話しづらい子宮や膣の悩み」についてのセミナーの内容をご紹介します。

女性特有のライフイベントを健康に美しく過ごしていくために役立つ内容ですので、ぜひ最後までお読みください!

01 現代社会には女性特有の悩みが増えている

現代社会を生きる女性は、生涯の月経回数が昔と比べて大幅に増えています。かつては16歳ぐらいで初潮を迎え、その後の出産回数も6~10回をこなす女性が多かったため、生涯の月経回数で50~100回でした。
しかし、現代の女性は初潮が早くなり、初産までの期間や出産人数も変化したため、生涯の月経回数は450回程度まで増えています。 生理回数の増加は、すなわち子宮内膜症や乳がん、卵巣癌などのリスクが上がることを意味します。このような背景から、現代女性には生理や女性ホルモンに関する悩みが増えています。

02 子宮と膣をケアする重要性

膣は「秘部」や「陰部」といった言葉がついているせいか、マイナスイメージが強いという方もいらっしゃいますが、自分の身体を理解することはとても大切です。 妊娠できる力を蓄えるため、あるいは高齢になってからガンにかかるリスクも減らすためにも、月経や膣のケアは効果的と言われています。 さらには自律神経の働きもスムーズになり、コラーゲンが産生されて美肌が保たれるなど、女性にとって嬉しい効果に繋がります。
外性器についてよくご相談を受けるのは、「ニオイやおりもの、かゆみが気になる」、「セックスが痛い」というお悩みです。 そういうときには感染症を疑います。クラミジアや淋病は子宮や卵巣卵管にまで広がり、不妊症のリスクにもなる病気なのですが、コンドームでは完全に防ぎきれません。膣を守るためには定期的な検査が重要です。
「コロナ禍になって帯状疱疹が増えた」というニュースを聞いた方もいらっしゃるかと思いますが、婦人科では性器ヘルペスや尖圭コンジローマ、特に梅毒がものすごく増えています。これらは母子感染のリスクあるので、早期診断をして赤ちゃんやご自身を守ってあげてください。 生理前に心身が不安定になるPMSについても、日本人の女性は我慢してしまいがちです。それこそ電車の中で倒れてしまう方もいるので、不安を感じたらすぐに婦人科で検診を受けてください。

03 膣の正しい洗い方

基本的に、膣内は洗わないことを推奨しています。においが気になって生理食塩水のビデで洗ってしまう方もいるのですが、膣自体の常在菌を洗い流してしまうと、逆に膣のトラブルに繋がります。 ビデは「使用はしても常用はしない」という意識を持ってください。性行為の後や生理の終わりがけに少し使うのはOKですが、それ以外の時期にも毎日するのはよくありません。
一方で、膣の外側は垢や尿などがつきやすいので、しっかりと洗うことが大切です。できればボディーソープではなく専用の洗剤を使ってください。膣内に刺激が強すぎないように配慮されているためです。 ただし、膣の外部がかゆい、におうなどのトラブルを抱えているときは、洗浄剤を使わずにお湯だけで洗ってください。膣が荒れている状態で洗浄剤を使うと悪化してしまうことがあります。
産後や閉経後の女性ホルモンが揺らぎやすい時期には、膣が乾燥しやすいため保湿剤を使いましょう。乾燥するとヘルペスやヒトパピローマウイルスなどが入ってくるリスクが高まります。

04 子宮ケアについて

子宮のケアについては、妊活でもよく言われるように「女性は温めて男性は冷やせ」の原則に従いましょう。血流を良くし、子宮や卵巣にホルモンを巡らせることが効果的です。 痛みを我慢しないことも大切です。生理痛を我慢し続けると子宮内膜症が内在化し、いざ妊活という時期に妊娠しづらい身体になってしまうケースがあります。
子宮内膜症は早期に発見できれば、負担の少ない治療法がたくさんあります。ハーブやCBDなど、ご自身でできるケアを取り入れていくのもよいでしょう。 また、過度なダイエットは女性ホルモンを整える意味ではマイナスに働きます。DHA・EPAやビタミンBなどのサプリメントを上手に使いながら、健康的なダイエットに励んでください。

05 セックスのケア

セックスのケアとしては性感染症の定期検診を受けることが大切です。セックスを楽しむことは子宮や膣にとってもいいことですし、どんな臓器も使わないと衰えてしまいます。相手がいないという方は、セルフプレジャーでも同様の効果が期待できます。 最近はフェムテックの分野が進んでおり、女性もセルフプレジャーを楽しみましょう、というメッセージも聞いたことがあるかもしれません。
女性主体の避妊方法も検討してみてください。コンドームだけでは普通に使用しても15%ぐらいは妊娠してしまいます。ちゃんと初めから最後まで使うことができれば2%程度と言われていますが、どのみち100%防げるものではありません。 低容量ピルや子宮内避妊具を使って、いざ妊娠したくなったらそれをやめる、というようにコントロールしていくことをおすすめします。
KADOKAWAから出版している「子宮にいいこと大全」という書籍やYouTubeチャンネルでは、より詳しいお話をしていますので、ご興味がある方はぜひご覧ください。

06 膣美容液で自宅で手軽に膣ケアを

デリケートゾーンケアブランド『raciné(ラシーネ)』では、膣内フローラを改善する効果と、肌の42倍といわれる膣の粘膜吸収による美容ケア、という2点に着目して膣美容液を開発しています。
タンポンのように膣内に挿入、もしくは外側の保湿として使うもので、従来の膣ケアグッズは「雑貨」として扱われていたものがほとんどですが、『racine』は日本で初めて「化粧品」として認められました。 化粧品は厳しい法律で担保された成分しか入れることができませんので、安心して使っていただけます。フェムテックジャパンというアワードで銀賞、つまり2位を受賞しました。
商品の形状は小指よりも細く、痛みもなく簡単に使っていただけます。顔と比べて膣内のpHは2ぐらい違うので、この商品はもちろん膣内のpHに合わせて作りました。 また膣内フローラを整えるために、善玉菌のラクトバチルス菌が全成分の約8割を占めています。これによって膣の菌バランスが整うと、様々なトラブルを防ぐことができるほか、単純に潤い成分でもあるのでプリプリの膣になります。 さらにこだわりの一つとして、人幹細胞培養液を使っています。美容クリニックでは1回10万円もかかるようなケアを、自宅で簡単にできるようになりました。
膣内フローラの状態次第で妊娠率に差が出るほか、生児獲得率(体外受精の成功率)に至っては8倍ぐらいの差が出ると言われています。 また、やはり膣に入れるものなので安全性を大切にしています。医療機器を作る工場で生産していますし、パッチテストやスティンギングテストをやっている企業は他にありません。
実際に使用していただいているお客様からも「もっと早く知っていれば!」というお声が届いています。膣ケアは1日でも早く始めることで、様々なトラブルの予防になりますので、今後の人生100年を美しく生きていくために活用してみてはいかがでしょうか。

07 子宮と膣ケアに関するQ&A

Q1. 出産後、徒歩などの振動で膀胱が圧迫されると尿意を感じます。改善方法はありますか?

経膣分娩をするほどに、尿のトラブルが起こりがちなのは致し方ありません。対策としては、若いうちから骨盤底筋トレーニングをすることです。 将来的な予防に有効ですし、既に尿漏れが起こっている方でも、症状が改善すると言われています。1日に2~3回でよいので、ギュッと締めてみるのを習慣にしてください。

Q2. 生理痛がつらい時、薬で我慢せずにすぐに病院へ行くべきでしょうか?

ぜひ病院にご相談ください。皆さん我慢をし過ぎるところがあるので、生活に支障をきたしている時点でお越しくださるのがベターです。保険診療の範囲内で検査をしたり、低用量ピルなどをお出しすることもできます。

Q3. 子宮内膜症について、どんなサインを受診の目安にすべきでしょうか?

個人差もありますが、9割以上の方に月経痛がでます。他にも生理以外のときに痛みがある、排便痛がつらい、性交痛がある場合には子宮内膜症を疑ったほうがよいでしょう。
あわせて読みたい