ヒト幹細胞培養液とは? 配合商品の選び方のポイント

年齢を重ねるにつれ、身体の不調やお肌の悩みが増えますが、これは幹細胞の数が減って、細胞を再生・修復する力が弱まることが関係しているといわれています。
この弱った幹細胞にアプローチする「幹細胞コスメ」が近年注目されています。
幹細胞コスメには、幹細胞そのものが入っている訳ではなく、「幹細胞培養液」が入っています。
どのような成分で、どのように選んだら良いのか、みていきましょう。

01 そもそも「幹細胞」とは

私たちの肌や血液、骨、筋肉、臓器など体の全ては、無数の細胞によって出来ています。
「幹細胞」とは、それらの細胞の元となる細胞のことです。
幹細胞は自分と同じ能力の細胞を作り出す「自己複製能力」と、他の組織細胞に変化する「分化能力」を持っています。
  
この2つの能力によって、新しい細胞を供給し続け、細胞の生まれ変わりに大きな役割を果たしています。 この能力を応用し、傷ついた組織や臓器を治す再生医療も研究が進んでいます。
幹細胞は生まれた時が一番多く、体の成長の過程で多くが使われ大人になるにつれどんどん減っていきます。
幹細胞が減ると細胞の分裂能力や増殖能力が落ちるため、健康面では病気になりやすくなり、美容面では肌のターンオーバー周期が長くなりくすみやキメの乱れの原因となります。

02 ヒト幹細胞培養液とは

幹細胞は年齢を重ねるにつれ減っていきますが、近年の研究で「ヒト幹細胞培養液」が幹細胞の働きを促進することがわかってきました。

幹細胞の種類

医療や美容に使われる幹細胞には次の3種類があります。

ヒト幹細胞培養液のはたらき

「ヒト幹細胞培養液」には、多くの成長因子や活性物質が含まれており、従来の商品では得られなかったような効果を期待できる可能性があります。
成長因子が作用することで角質の細胞を活性化させ、老化によって遅くなってしまったターンオーバーの周期を早めて肌の生まれ変わりを促進することがわかってきました。
また、活性物質には人間の細胞にある鍵穴(レセプター)に作用する鍵(リガンド)が多く含まれています。
レセプターにリガンドが合致することで細胞活性化のスイッチが入り、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンなどの美容成分を作り出します。
植物幹細胞に比べ、ヒト幹細胞の活性化物質の方が人間のレセプターには合致しやすいため、より効果を得られやすくなります。

ヒト幹細胞美容液の安全性

幹細胞は、健康な若い女性のドナーから採取されます。
採取された幹細胞は遺伝や安全性に問題がないか検査し、合格した幹細胞は半年間冷結保存され、ドナーに潜伏している病気がないことを確認します。
半年後さらに厳重にいくつもの検査が行われた上で、培養が開始されています。
またヒト由来である為、アレルギーを起こす心配も少ないと考えられます。

03 選ぶ際のポイントは?

スキンケアに使う美容液の他にも、様々なヒト幹細胞を使った商品がありますが、幹細胞コスメを選ぶ際のポイントや気をつけたほうが良い点についてみていきましょう。

何由来の幹細胞なのか

ヒト由来の幹細胞の中でも、ヒトのどの部分から採取した幹細胞なのかによって効果が大きく違ってきます。
例えば、母体の羊水から採取した幹細胞は、体のどの部分よりも若い細胞であるため、より多くの成長因子や活性物質を含んでおり、高い効果が期待できます。

再生因子の量

商品の特徴として配合濃度を強調している商品もありますが、幹細胞の培養方法などによって含まれる再生因子の量が異なります。
配合濃度が高いものを選ぶだけではなく、その中に含まれる再生因子の量を合わせて確認する必要があります。

培養エキスと培養液の違い

培養エキスとは培養液の原液を水やアルコールなどで薄めたものであるため、培養液原液を配合しているものの方が濃度が高く、効果も期待しやすいでしょう

安全性を厳しくチェックしているか

安全面により配慮している商品は、どのような検査をしているのか試験結果を明示している場合もあるため、製品情報を確認しましょう。

悩みに合った配合成分の商品を選ぼう

ヒト幹細胞美容液は、他の美容成分と掛け合わせることで相乗効果を期待できます。
保湿成分が配合されているものを選ぶと、ヒアルロン酸やコラーゲンの生産を促進し、美白成分が配合されているものを選ぶと肌のターンオーバーを促進させるなど、配合成分の働きをサポートしてくれます。
悩みに合わせて配合成分を確認し、商品を選びましょう。
細胞に直接はたらきかける成分を持つ、ヒト幹細胞培養液。
ポイントを押さえ商品を選ぶことで、今までのコスメでは得られなかったような効果を実感できるかもしれません。
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